本日の話題~イージス・アショア断念・代替案問題~
本日の話題~イージス・アショア断念・代替案問題~
こんにちは!
久しぶりの更新になりました。
サボってるんじゃないかって?
ええ、サボってるんです。
「やろう。」と思って始めたことでも、それが「やらなきゃ。」になると途端に楽しくなくなると、今まで生きてきて本当に痛感しています。
ですから、どんなこともむやみに自分にプレッシャーをかけすぎないように心がけているのです。
もちろん、「やらなきゃ。」と思わなくても自然とできるくらいの気持ちがあれば良いのですが、
人間そうそうそんな強烈に自分を駆り立てる物には出会えませんから、
まずはゆるりとした気持ちで始めてみるのが一番ではないでしょうか。
変に「毎日更新する。」みたいに目標を立ててしまうと、できなかったときに一気に心が折れてしまいます。
とまあ言い訳は置いておいて、本日の話題です。
陸上イージス断念からの代替案問題ですね。
これに関しては反対派というか批判論者の意見は理解できます。
拙速な決定と杜撰な調査が招いた混乱であるのは間違いないでしょう。
結果として時間と資金を無駄にしたことは確かで、責任の所在を明らかにする必要はあります。
ただ、以下の記事、しんぶん赤旗さんの言うような「やめるべき」という主張はいかがなものでしょう。
まず大前提として、中国や北朝鮮の脅威増大は待ったなしです。
現状のまま6隻のイージス艦をローテーションしたとして、
本当に切れ目なくミサイル防衛網を維持できるのかは疑問が残るのは確かです。
(以下、おそらく防衛省の資料より)
ですから、その対策として最有力の候補だったのが「イージス・アショア」だったわけですね。
そりゃ、4000億円で作って、陸上勤務3交代制の36人で運用できたらどれだけ良かったことか。
ですが、今の情勢ではイージス・アショアを受け入れる自治体を確保することはかなり難しいでしょう。
よしんば確保できても、おそらく原発と同じ様にそれなりのお金を地域にばら撒かないといけないでしょうから、
たぶん4000億円では無理だと思います。
しかも、迎撃ミサイルのブースター落下地点を正確にコントロールするための改修をすると、
追加コストが2000億円、期間が12年も必要となります。
では、我が国のミサイル防衛網に穴が開いた状態を看過していいのかというと、そんなことはありませんよね?
ですから、陸上案はきっぱり諦めて、次点の策を考えるのが最優先となります。
で、新造のイージス・システム搭載艦ですが、陸上用のSPY7レーダーを流用して新造すると2隻で4800億円です。
既存のイージス艦を新造するなら2隻で4000億円なのですが、すでに購入済みのSPY7レーダーをキャンセルするとなると、違約金がかかってしまいます。
違約金がいくらかについては機密なのか情報がありませんので何とも言えませんが、
その違約金まで考慮するとSPY-7レーダーを流用した方が安くつくという判断なのだと思います。
さらには、イージス・アショア改修にかかる12年に比べれば、護衛艦新造は5年ないし8~9年程度と期間の短縮もできます。
では、24時間365日の監視体制を維持するためとしたイージス・アショアの導入目的はどこにいったという批判についてですが、
先ほどの防衛省の資料を読むと、イージス・アショアでなくても
「ミサイル防衛専任のイージス搭載艦2隻」があれば最低限の目的を達成できることがわかります。
つまり、人員も少なく済み、安かったから地上案を推進していたのであって、
地上でなくては目的を達成できないわけではなかったわけです。
ですから、現時点で24時間365日のミサイル防衛体制を維持する方法として考えられるのは、
①陸上イージス4000億円+改修費2000億円+自治体補助金+人件費+維持費:12年
②SPY-7流用護衛艦新造4800億円+人件費+維持費:8~9年(不確実)
③既存イージス艦新造4000億円+違約金+人件費+維持費:5年
という感じになります。
人件費は①が一番少なく、用途の限定効果で②が次点、③が一番高額だと思われます。
そう考えれば、選択肢として②を選ぶのは比較的妥当な判断だと考えることができます。
もう一つの問題、「海自の負担軽減」については、陸自からの配置転換など検討されていますが、まだどうなるかわかりません。
とはいえ、陸上案が実質的に不可能である今、それでもやるしかないというのが実情でしょう。
そもそも、国防と言うのは国家の内部の論理で決めていいものではないのですよね。
やらなければならないことは、やらなければならないものです。
(以下記事で触れられている、イージス・アショア代替と敵基地攻撃能力保持は別問題という話は重要ですが、ここでは扱わないことにします。)
政府や防衛省はたしかに拙速で杜撰だったかもしれませんが、
だからといって国防をおろそかにしていい理由にはなりません。
最善策を検討し、無理なら次点の最善策を・・・と、足を止めずに進めていくべきものなのです。
ましてや、計画全廃論なんてもってのほかですよ。
ちなみに、SPY-7レーダーの洋上対応に疑問が残ると書かれていますが、
当のロッキード・マーチンは自信を見せているようです。
まあセールストークも込みでしょうから簡単には鵜呑みにできませんが、
こればかりは悪魔の証明ですからね。
ただ、現にスペインとカナダはSPY-7を洋上運用する計画だそうで、
洋上運用について大きな欠陥があるようには思えない気もします。
琉球新報さんの記事からは「国防をどうするか」という視点がすっぽり抜け落ちていて、
国民の負担や国民の理解という内側の論理でしかモノを語っていないように見えます。
もちろん国民を蔑ろにするべきだとは言いません。
ですが、そのためには国民も本気で国防を考えなくてはいけませんよ。
我が国の国防をどうするか、その視点があってこそ議論を始めることができます。
ぜひ、計画を全廃したあとの国防の形について提案をしていただきたいものです。
それから、こういってはなんですが、政府の試算より実際の経費が高くなることは頻繁にあります。
陸上案の方は試算+α程度の前提、洋上案は試算+雪だるま式の前提でかかる費用を比較するのはちょっとよくわかりません。
結論ありきで書いているようにしか見えないのはそういうところだと思います。
いずれにせよ、今世界は急速に動いています。
アメリカは中国との対決姿勢を隠そうともしませんし、中国は西側陣営に対して強気な口上を繰り返し述べて反発しています。
ロシアだって傍観者であるはずがありません。
韓国の赤化も止まる気配がありません。(※最初から赤かったのかも。)
このような事態に、内側でバタバタしている場合ではありません。
もちろん様々な立場で様々な意見を自由に言えることは大前提ですが、
批判のための批判、擁護のための擁護ではなく、建設的な議論を重ねていきましょう。
それが必ず、我が国の力になります。
我々は、傍観者ではありません。
我々は、評論家ではありません。
我々は、当事者です。
自分のこととして国の在り方を真剣に考えなければ、我が国がなくなる日も遠くないかもしれませんよ。
そうなってからでは遅いのです。