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本日のいけないニュース~池袋暴走事故~

本日のいけないニュース~池袋暴走事故~

 

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こんにちは!

 

世間は桜を見る会の疑惑が盛り上がっているようですね。

 

前に書いた通り、私は判決が出るまで特に言うことはありません。

不確実な情報で人を非難したり問い詰めたりするのは正しいやり方とは思えないからです。

 

我が国は幸い法治国家ですから、大抵のことは法が裁いてくれます。

判決の量刑が甘いとか、そもそも裁判所が前提としている憲法がおかしいだとか、

そういった話は意義があると思うし、日々改善・修正していくべきことだと思うのですが、

法的責任を超えたところの話は人の価値観によって捉え方が大きく違うものですし、

どんなに頑張っても議論は平行線を辿るだけでしょう。

疑惑や容疑は推定無罪の原則に従ってなにも先入観を持たずにいるのが正解です。

しかも桜を見る会疑惑に関してはまだ起訴されるかどうかすらわかっていないのですから、

なおのこと妙な決めつけをしてしまうのは良くないことです。

 

 

で、この推定無罪の原則からするとあまりよろしくない話題がこの事件の記事ですね。

www.nikkansports.com

はじめに断わっておきますが、私はこの事件の被告人を擁護するつもりはまったくありません。

痛ましい事件ですし、もし素直に非を認めていないとするならば許される態度とは思いません。

そして、被告人の主張が認められる可能性は限りなく低いと考えています。

 

それでも、判決が確定するまでは被告人はあくまで被告人ですから、

推測や憶測で悪人に仕立てあげるのはいけないことです。

感情と法は明確に分けて考えられるべきです。

 

この記事では、被告人がまるで反省していないという様子を遺族の視点を通して示しています。

確かに、これが事実ならそう思っても仕方のないことですが、

以下の記事にあるように、一応形式上の謝罪の言葉を口にしているのも事実です。

www.asahi.com

ですから、あとは個人の感覚によるものしか判断基準がありません。

そして、個人の感覚と言うのは置かれた立場や状況によって異なるのが普通です。

 

そのことは、こちらの記事を読むとよくわかります。

driver-web.jp

被害者遺族の持つ強烈な感情というのは中立な立場でなんていられないものなのです。

 

被害者遺族の気持ちは痛いほどわかります。

いや、きっとわかったような気持ちになっているだけで、

本当は平和に暮らしている我々には想像もできないようなものがそこにあるのでしょう。

もし自分が同じ立場なら、被告人を今すぐ車で轢き殺したい衝動に駆られるかもしれません。

 

ですが、本来判決が確定するまでは中立であるべき我々が被害者遺族の強烈な感情に寄り添い過ぎてしまうと、

今度は被告人の感情がないがしろにされてしまいます。

 

もし本当に自動車の故障だとしたら?

もし本当に心から反省し、謝罪を行っていたとしたら?

 

被告人が無罪を主張している以上、無罪の可能性はゼロではありません。

あるいは、心から反省しているのにそうでないように印象付けられたら、

執行猶予や無罪を勝ち取った後でも、世間からの冷たい目にさらされるかもしれません。

それは、あってはならないことです。

 

ですから、すべては裁判所が判断を下してからなのです。

すべての証拠・証言が出そろい、被告人が嘘をついていたことが明るみになったなら、

それを踏まえて量刑が言い渡されるでしょう。

それによって自身のすべての罪を背負うことになります。

その日が来るまで、余計な思い込みや先入観を植え付けるような記事を書かないのがメディアとしてのモラルだと思います。

 

 

そういった点に配慮して書かれたであろう記事がこれです。

www3.nhk.or.jp

確定した情報のみで書かれていて、実に中立です。

被害者遺族の感情に触れないでもなく、かといって一方的に被告人を悪者にするでもなく。

確定した証言の内容と、客観的に見た被告人の様子だけを記述しています。

 

皆さんはこれを味気ないと思いますか?

上級国民に忖度していると憤りますか?

 

 

違います。

これが正しい報道の姿勢なのです。

読者の感情を揺さぶったり、心に訴えかけたりするのは「エンターテインメント」のやり方なのです。

また、中立性を失って誰かの肩を持つようになってしまうと、

それは思想誘導のプロパガンダに他なりません。

 

www.huffingtonpost.jp

ハフポストさんも似たような記事の流れですが、証言の内容を詳細に書いたうえで、

被害者遺族の発言は比重としてはさらっと書き流しているあたり印象が異なります。

 

www.j-cast.com

こちらのJ-CASTニュースさんは一転被害者遺族の発言を中心にした記事ですが、

「あくまで私の印象ですが」の部分を強調したり、発言の内容をより詳細に記述することによって、

”被害者遺族の発言”という事実を伝えるだけの記事に特化しています。

なぜ被害者遺族がそういう印象を持ったか詳しく書かれていて、納得感が高いです。

おかげで、強烈な感情を内に秘めながらあくまで冷静であろうとし続ける被害者遺族の尊い姿がよくわかる良い記事になっているように感じました。

 

日刊スポーツさんとはほんの少し書き方が違うだけかもしれませんが、受ける印象がだいぶ違います。

誤解を覚悟で簡単に言うと、被告人”サゲ”メインの記事なのか、被害者遺族”アゲ”メインの記事なのかといった違いと見て取れるようにも思います。

もしかしたら、公判の状況と言う「客観的事実」を報道する記事と、被害者遺族の思いや受け止め方という「主観的感情」を一つの記事にまとめたのが良くなかったのかもしれませんね。

 

 

 

もう一度いいますが、”もし”自分の過失による事故を反省せず無罪を主張しているとするなら、

私は被告人を許したりしませんし、厳罰に処してほしいと願っています。

そして、その可能性は高いでしょう。

 

ですが、その”もし”が外れる日まで、確定したことは何もありません。

ニュースを見て怒り狂うのは個人の勝手ですが、世間に広く情報を拡散するメディアとしては、

そのような姿勢は一転罪のない誰かを傷つける刃にもなってしまうのです。

 

 

いついかなるときも、疑惑は疑惑であって事実とは限りません。

もちろん裁判所の判決がすべて事実に基づくかどうかだってわかりませんが、

それでも法治国家においては判決がすべてです。

 

 

判決を待ちましょう。

声を上げるのはそれからでも遅くありません。